【読書】『ちいさなちいさな王様』アクセル・ハッケ/作 を読んで【感想】

おすすめ度 ★★★★☆

ドイツの児童文学『ちいさなちいさな王様』を読んだので、感想などをつらつらと綴っていきます。たしか何年か前に、のちにSTAP細胞で話題になった小保方晴子さんが紹介していた本でもありますね~

結論から言うと、、、すごく面白かったです!!!いや、面白いというか、考えさせられるなかなかに深い本でした。

タイトルそのまんま、体のサイズがちいさな王様が登場します。この王様が非常に小生意気なんですが、なんとも言えない魅力を放っています。

実は、この王様の住んでいる世界は、主人公とは別のちょっと変わった世界なんです。普通の世界だと『赤ちゃんとして生まれ、年齢を重ねると知識や経験が増えていき、老人になって最期を迎える』。まあこの現実世界と同じですね。でもこのちいさな王様の住む世界では『生まれたときはすでに大人で、年齢を重ねるごとに精神や見た目が若くなっていき、赤ちゃんになって最期を迎える』ってな感じなんです。

みなさんは

<体が大きくなって様々なことを経験して知識を得る代わりに、世の中の色々なことに対して新鮮味を感じなくなり、子どもの頃のようなワクワクするような気持ちがなくなっていく世界>

<様々な知識を持っている老人として生まれるが、年を重ねるにしたがって体が小さくなっていき、せっかくある知識がどんどん失われてしまうが、忘れたことで世の中の全てが新鮮に感じ、子どものようにワクワクした気持ちになっていく世界>

ではどちらの世界に住みたいと感じますか?どっちのほうが幸せなんだろう。。。ある種の幸福論ですね。この本はカテゴリー的には児童文学になると思うのですが、哲学的な要素が物語の随所にちりばめられているんです。

                                                                                                                                                               

他にも、強く印象に残った王様の台詞がありました!!                                                                                                                    

「人は一生自分の周りの世界を見続けていく。だから見た分だけ頭の中には数え切れないくらい沢山の絵がたまっていくのだ。絵の中の何枚かはほとんど毎日繰り返し見ることもあるだろうし、そうでない絵は頭の中でも奥深い、うんとへんぴな部屋にかけられたままかもしれない。よっぽど長いこと探した挙句か、あるいはまったくの偶然にその部屋に迷い込んだ時でもない限り、その絵と出会うことはもう二度とない。それでも当の本人が、ひょっとしてもはやそれを思い出すことが一生ないにしても、その絵は一枚一枚、ちゃんと部屋にかかっているのだ。それらの絵はいつまでも、その人の頭の中にあり続けるのだからな。」

この台詞、僕にはどうしてかすごく響きました。

                                                                                                                                  

僕たち人間は、生きていく中で色んな人に出会います。それでもそのほとんどの人とは、もう一度会うこともなく思い出すこともないまま一生を終えることになるかと思います。

                                                                                                                   

でも、たとえそうだとしても、その一人ひとりと、その瞬間には会話をし、表情を見るなど、なにかしらのやり取りをしているかと思います。そして、そのときの自分はそのやり取りの中でなんからのことを感じているはずなんです。その一つ一つの出会いと別れの積み重ねが今の自分を形成してるんだと、この台詞を読んで考えました。作者がこの台詞を書いた意図とは全然違うかもしれませんが笑

                                                                                

みなさんがもしこの本を読んだら、どういうことを感じるでしょうか?読んだ人は感想を教えてもらえたら嬉しいです!!

『ちいさなちいさな王様』読んでよかったです。